Coffee
今朝は冷える
空気も澄んでいる
こんなにも
知らなくていい
かなしみが
あるなんて
できるなら
六時に家へ帰りたい
すぐそこの
山の木立がすかすかだ
あんなにも
知らなきゃいけない
雄叫びが
あるなんて
今日は
まっすぐ帰りたい
家が好きだ
Coffeeが好きだ
死ぬ前にCoffeeを飲みたい
できるならタバコも吸いたい
それだけで
こんなにも
人生はあったかい
Coffee
ジリジリした音が頭を叩き
くたくたの昨日の靴下を履く
ポットを沸かし
トイレへ向かう
まとわりついた髪をゴムで結い
鼻水をつける柔らかい紙をさがす
ぐちゅぐちゅ口をさっぱりさせ
溜めたお湯が手のひらからこぼれる
カーテンの向こうは青い
星空
星がいた
真っ白なこの街に
きみは
なにが嘘なのか
きみから
なにを塗りつぶしたのか
顔のない顔して目を垂れた
星はみた
明日と昨日に
顔をさらして
ぼくは
なにが本当なのか
ぼくから
なにをこぼしたのか
こころないこころで踏んばった
今 空は 真っ黒に晴れている
記憶
考えない
悩まない
決めつけない
挫けない
諦めない
押さえつけない
ひねくれない
苦しまない
悲しまない
優劣つけない
生き急がない
急かさない
否定しない
妥協しない
閉じこもらない
がっかりしない
嫉妬しない
雪だるまなんかいらない
ここにいる
あなたの肩を一瞬染めた
たった一粒の雪の印